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障害者支援施設あかね

地域と連携し、綿花や大豆の生産へ

2003年よりさをり織を行う「さをり班」をつくり、作業を始めました。その中で「さをり織に欠かせない糸を作れたら」という利用者の思いから、2008年に「あかねコットンプロジェクト」をスタート。その際、福祉的な知識はあっても、農作業等の専門的な知識や技術の無い中、自分たちだけで取り組むには限界があり、実際に綿を事業として考えている方の話を聞くなど、農業に関しての知識は周りの方の協力を得ることにしました。

その後、普段から法人に協力して下さる地域の方と一緒に、2009年から綿花の栽培を本格的に始めました。地域の方は、自分たちの田畑を育てている農業の専門知識をもとに、知識や技術について力を貸してくださいます。そのおかげで、同時に大豆の栽培も始めることができました。

綿花と大豆については、地域の方と栽培だけでなく商品化に向けての話し合いを行っています。“しづらさのある人”の力を活かすこと(わたしたち支援者の専門性)、農業のノウハウと技術(地域の方たちの専門性)を重ねながら、”地域とつながる””ふるさとの良さ”を生かしながら、日々取り組み始めました。

農業が、障害のある人と地域の人たちをつなぐ

入所施設というと閉鎖的なイメージを持たれやすいこともあり、意図的に外とのつながりを意識することが大切です。そのため、“農作物を育てる””活かした商品を作る”といった同じ目的を持ち、共に活動をする中で、地域の方と障害のある人との距離が、少し近くなってきたのではないかと感じています。また、入居者にとって支援者や家族以外の人に「助かった」「手伝って」「ありがとう」と”感謝される”機会は、何よりも特別な自信に繋がっています。綿花と大豆の栽培から、綿の仕分けという作業や大豆を製菓にする作業は、“任された”という自信につながる作業になっています。

この連携には、地域の方との交流を通して、障害のある人のことを少しでも身近に感じてほしいという願いも含まれています。交流の中で“しづらさのある人”に触れ、家族に“障害のある方”がおられる園児さん家族が、未来に明るさを感じられたと言ってくださった時には、障害分野で働いてきた私たちの喜びにつながりました。その他にも、利用者さんの名前を「○○さん、こっち手伝って」と地域の方が当たり前に呼び、当てにされる存在になれたことは、社会が広がったと実感しています。支援していただいている地域の方も、利用者と作業を共にする中で、個性や特性を理解していただき、声かけも適切にしていただけるようになってきました。

あかねの手織り班では、綿繰りと織りを作業として取り組んでいます。利用者が自信を持って、継続して取り組める作業として確立してきました。栽培から収穫までの流れと、綿繰りから糸作り、手織りまでの一連の流れを知り、手作りのこだわり商品、社会に必要とされるよいもの作りを目指しています。全て手作りとはいきませんが、たくさんの人の力を活かし、”○○したい”という願いをこめて日々の作業の”がんばり”や”笑顔(達成感)”へつなげています。

綿から糸へ 糸から染へ 染から織へ
てづくりだからいい『やさしさ』と『トクベツ』
ひとつとして『おなじ』がない『よさ』を

地域の方の力・しづらさある人の力が集まって願いとなり、形となった自分たちが栽培する”トクベツ”である綿花を”あかねこっとん”と呼んでいます。あかねこっとんは、農薬等はほとんど使用せず、自然と人の手による和綿の栽培を行っています。落葉剤は使用せず、みんなで一つずつ摘み取り収穫しています。摘みあげた時のフワフワとした感触は触り心地のよいものです。製糸にする際に、糸に強度を増すために少し洋綿を配合しています。コットンは、元々は白に近い色合いです。色味をつける際は、”自然のよさ”を活かし、緑・黄・茶・薄橙・生成り 等の色を草木染しています。あかねこっとんはこれからも”トクベツ”な綿花を育て、商品としてみなさんの元にとどいてほしいという願いをこめていきます。

<DATA>
障害者支援施設あかね
住所/滋賀県東近江市小脇町2089
TEL/0748-23-6776
HP/https://www.facebook.com/gamounokai
取扱商品/地域の方(グループ名称:創る会)と連携し、綿花(和綿)や白大豆等を生産。大豆は”おわき大豆”として菓子製造し、綿花は紡績工場にて綿糸にし、さをり織(2枚綜絖織)として商品販売。自作の綿糸については市販の綿糸と差別化し、独自のブランドとして”あかねこっとん”と名称している。(商標登録なし)
ストラップ(あかねこっとん 草木染)
ハンカチ(あかねこっとん)
コースター(あかねこっとん)