苦労と楽しさの中で、ここだけの固定種を育む

イロハニトイロでは「農薬化学肥料不使用」「土づくり」「固定種の栽培」にこだわり、手を加えすぎず、できるだけ自然に近い状態で野菜を育てるということを意識しています。農薬を使わない分、雑草もたくさん生えてきますが、雑草にはそれぞれの役割があり、抜いた雑草も堆肥となって畑の栄養分になります。肥料を使わないイロハニトイロの畑ではこの雑草堆肥が欠かせません。また「固定種」とは、農家や採種家の手によって同じ品種の種を毎年採りつないできた種のことです。イロハニトイロでは、種を植え、収穫をし、そこから来年の種をとり毎年種をつないでいくことを目指しています。

畑の作業は、夏の暑さや冬の寒さとの闘い。雑草堆肥を混ぜる作業も体力勝負です。苦労して作業をしても、ほとんど収穫できなかったり、雑草が数日で生えてきてしまったり…落ち込みそうになることもありますが、それ以上にやりがいを感じています。

イロハニトイロの畑で毎日、土に触れ、植物に触れ、風を感じながら野菜をつくるようになって、普段食べている作物も、それを作ってくれる農家さんがいるから食べられるんだな、と改めてありがたさを感じました。まだまだ人と関わることは苦手だなと思う人も、「この野菜のおいしさをみんなに知ってほしい」「このナス売れたらいいな」と思うようになりました。畑で土に触れ、植物に触れることが「楽しい！」と思えるようになると、素直になれるように思います。